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山歩きを楽しく始めるために知っておこう、『登山計画』と『登山届』

山歩きを楽しく始めるために知っておこう、『登山計画』と『登山届』

山歩きを始めたいけど、どんな山にいけるのだろうか、どんなふうに計画したらいいの?と
わからないことが多いと思います。
最初は経験者と一緒に行動できれば良いのですが、周りにそんな人もいないし・・・
ということで、独学でも可能な山歩き計画の立て方や、登山計画書の提出についてまとめました。




山選び

国土の70%以上が山地の日本では、全国的にいつでも山歩き可能な環境が整っています。
しかし管理されている場所で楽しむスポーツとは異なり、大自然を楽しむレジャーである以上、危険のリスクが伴います。
季節・気象・山の位置なども考慮し、自分の体力に見合った難易度の山を選ぶことが重要となります。

歩行時間と登山ルート

最初のうちは、往復4時間程度で帰ってこれる山の選択がおすすめです。

一般的に1時間あたりの歩行距離は標高差200~300m程度です。
4時間程度の往復だと標高400~600m程度の山を探す事になります。
◆標高差:登りはじめの(一番低い)標高と山頂の(一番高い)標高の差◆

最初のコース選びは、上り下りが同じルートのピストンコース(往復型)がおすすめです。
理由は、道迷いの多い下山時に、一度通った道と同じ景色を見なが歩行できることや
下山時間の予測もたてやすいからです。
最初はピストンコースを選択、慣れてきたらループ(周回型)、縦走コースと強度を上げて
いきましょう。
登山地図やガイドブック等のルート、所要時間などを参考に選定してください。

季節と気象

晴れた夏の日には、日が昇ると温まった空気が山沿いに上昇する為、午後になると雷が発生しやすくなります。
特に夏の山歩きは午後に起こる、天気の急変に注意が必要です。
14時くらいまでには、稜線から外れた場所にいるように計画しましょう。
又、春はスギ花粉、秋は早朝の霜等にも注意が必要です。

  • 春   朝晩は寒いが新緑が美しく、天候も安定している日が多い
  • 夏   街にいるより涼しい山中を気持ちよく散策、午後の雷に注意
  • 秋   日が短くなってくるが、紅葉を求めて山に入る人は多い
  • 冬   白銀は美しいが雪崩・凍傷のリスクあり、落ち葉の低山も人気

昔から梅雨明け1週間がベストシーズンと言われています




早出発・早着き

山歩きは、早出・早着が原則と言われています。
これにはいくつかの理由があります。

理由① 山の天気は午前中早い時間の方が安定している。
理由② 思っていた以上の疲労、ケガや道に迷ったりと問題が発生することがある。
理由③ 時間的に余裕は心理的な余裕にもつながり、いざという時も冷静に対応できる。

目的地への到着時間から逆算、行動時間や休憩時間等を考慮して遅くとも15時くらいには最終ゴール地点、(日帰り時は戻ってくる場所)に到着できるように計画することが良いです。

交通手段と注意点

好きな時間に出発できることや、荷物の運搬等も容易なことからマイカー登山を選択する人が増えています。
便利なマイカー登山ですが、いくつかの注意点があります

駐車場の問題

登山口近くにバス停等が設置されている場所は数多くありますが、駐車場は限定的です。
ハイシーズンの週末は朝早くから満車状態になり、予定通りに行程が進まない。
駐車場が有料の場合もありますので、事前に調べておきましょう。

コースの選択

車を駐車した場所に戻ってくるコースを選択しなければならず、コースが限定的になってしまう。

時季によりマイカー規制される山域もあります、事前に調べてから出かけましょう。

 

登山計画書の書き方と提出方法

もしも誰にも言わずに山の中に入り、道に迷い帰れなくなったらどうなるでしょうか?
誰も助けに来てくれない、それどころか探してもくれない。 誰にも知らせず山に入・・・それはもう自殺行為だとしか言えません。
大自然の中で活動する山歩きでは、そんなもしもの時に備えて、登山計画書を提出する必要があります。
登山計画書は、万が一山の中で遭難した時に捜索の資料となる重要なものです、しかし多くの登山者はこれを提出していないのが現状です。
今までの山は大丈夫だったから、と言って次の山も何もないとは限りません。

登山計画書ってどんなもの?

登山計画書はいつ入山して、どこのルートを通りどこへ下山するのか、一緒に山に入るメンバーの情報、食料、装備品等を記載する書類、万が一の遭難時にはその計画書から登山者の行動を追って、スピーディーな救助活動ができるように、関係先に提出しておく。

登山計画書の記入項目
  1. 山域・山名 (〇〇山・××連峰等)
  2. 入山日・下山日(山に入る日・予備日を含め最終下山予定日)
  3. 代表者・団体名(所属団体名・代表者名)
  4. 緊急時の連絡 (所属団体の緊急連絡先)
  5. メンバー全員の情報 (氏名・年齢・血液型・緊急連絡先)
  6. 行動予定 (登山口・経由ルート・目的山名等なるべく詳しく)
  7. 装備内容(テント・ツエルト・無線機等の緊急用装備の有無)
  8. 食糧(食料□食分 非常食の量

 

登山計画書記入用紙(例)

*必要な情報が記入できれば、書式の決まりは特に無し

   どこに提出するの?

提出先① 登山ポスト

登山計画書は登山口などに設置されている登山ポストに提出することで、その地域の警察署にて保管される。 管轄の警察署のホームページなどから提出することもできます。 群馬県警察 ホームページ 登山ポスト(埼玉県小川町) 記入用のカードの設置もありました。

 

個人情報を理由に登山ポストの利用を拒む人も多くいます、オンラインでの提出などを上手に利用したり、せめて家族には登る山やコース、帰宅時間だけでも、しっかり伝えてから出かける。 こうした事で、より安心で楽しい山歩きを長く続けられるのです。
登山計画書作成と届出がオンラインで可能なサイト COMPASS

提出先② 家族や友人

家族や友人・勤務先など緊急連絡先として記入した先にもコピーを渡す、又はメール等を活用して知らせておき、無事下山した後には報告も忘れずに行うようにする。 登山計画書は携帯しよう登山計画書は常に携帯しておくことで、メンバーとはぐれた後に事故などで被災した場合も、その発見者(第三者)による身元確認・行動確認がすぐにでき、緊急連絡や救助行動などに役立ちます。




まとめ

大自然の雄大な景色の中を、自分自身の足でゆっくりと進んでいく。
自分のペースで、日帰りの気楽な山歩きを楽しむ。
最初から無理な計画を立てずに少しづつ山に慣れ、一生楽しめる趣味として挑戦してみてはいかがでしょうか。

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