山歩きを楽しくむ為に知っておこう、『悪天候時の対処方法』
『山の天気は変わりやすい』という言葉は聞いたことがあると思います。
私自身も晴れていた青空から、ほんの数分で豪雨に襲われた怖い経験があり、常々この言葉は本当なんだなぁ・・と実感しています。
ということで、『なぜ山の天気は変わりやすいのか?』『そんな時はどんな対応をすれば良いのか?』をまとめてみました。
山の天気はなぜ変わりやすい?
山の天気が平地より変わりやすいのには理由があります。これは山の斜面を沿うように風が上昇することによっておこります、平地で温められ湿った空気が山にぶつかると、斜面を一気に上昇し冷やされ空気中にあった水蒸気が水や氷の粒となり雲ができます。
雲の中の水や氷がぶつかり合い大きくなると、空中に浮かんでいられずに雨や雪を降らせます、平地より気温上昇の速い山では、短時間で雲を作り雨を降らすことが起こるのです。
日本列島は背骨のように連なる山脈に、海からの湿った空気が打ち付けられ、多くの雨をもたらす、世界でも有数の多雨地域でもあります。
悪天候時の対処方法
①霧がたち込め、周りが何も見えなくなった
山の中で雲が地面に接しているものを霧といい、山の中ではガスとも言う。
濃い霧が発生すると、10m先も見えなくなってしまうこともよくある。
登り慣れた山も、で景色が見えないと方向感覚が弱まり来た道を戻れなくなることもあるので、道がはっきりしている時以外は、無理をして進まず視界が回復するのを待って行動する。
②雨が降ってきた
体が濡れると急速に体温を奪われてしまうので、まずはレインウェアを着て濡れるのを防ぎ体温を守る。
春先や秋の低気温時に降るミゾレは雪のように冷たく、体やザックを短時間で濡らす為特に注意が必要となる。
又、強い雨が降ると溝状の登山道では川のように水が流れたり、沢では鉄砲水の発生も起こり得るので、歩く道の変更や高台への避難も考えなければならない。
③強風が吹いてきた
雨と共に風が強く吹くことが多くある、風速1mで体感温度は1℃以上の低下を感じる、雨で衣服が濡れていればそれ以上の体温低下につながり、夏山でも低体温症に陥ってしまい動けなくなるという遭難もある。
夏場でもレインウェアのほかにダウンジャケット等が必要となり、いざという時の体温低下を防げるように装備しておくことも重要。
又、強風で濡れたグローブの中で手が冷えることにより、体温が奪われるので、雨用のグローブなども用意しておいたほうが良い。
⑤カミナリが鳴りはじめた
山歩き中にカミナリが聞こえたら、遠いか近いかに関係なく、すでに危険域に入っているものと認識して、できるだけ早く非難しなければならない。
もっとも安全な避難方法は、山小屋や避難小屋などの建物内に逃げ込む、建物が見当たらない場合は姿勢を低くしてしゃがみ、窪地などに身をひそめる、その時は足を閉じ地面との接地面をなるべく少なくして、落雷時に地面を伝わる誘導電流による負傷を避ける。
木の真下は非常に危険な場所なので、幹や枝の先端から4m以上離れる。山頂や尾根にいる場合は安全なルートを探し、低い場所までおりるようにする、又、多人数で行動している場合は、固まらないようにバラバラになって逃げる。
まとめ
山の天気は変わりやすいですが、まったく予測できないわけではありません。事前の天気予報や、当日の気温・雲の形・動きなどからできる限り判断し、無理の無い行動をすることが大切です。
又、普段の山歩き時に悪天候を予測したシュミレーションなどを考えながら行動しておくと、いざという時に冷静な判断ができるようになります。